有島生馬記念館

◆松の屋敷
 生馬は、肺尖を病み、大正9年(1920)に神奈川県鎌倉郡鎌倉町極楽寺(現鎌倉市稲村ケ崎)にある新渡戸稲造の別荘に静養のため、引越しをします。この別荘の近くに洋館があり、空き家になっていました。この洋館は、明治23年(1890)にイタリアの生糸貿易商ヴィヴァンティが建てたものでした。この廃屋同然になっていた洋館を生馬が気に入り、大正10年(1921)に購入して転居し、亡くなるまでの約50年余りをここで過ごしました。松が群生していたので「松の屋敷」と呼ばれ、二科会、一水会、黒門会等の日本近代洋画の活動拠点となり、山下新太郎、石井柏亭、与謝野寛・晶子夫妻、遠藤周作等の大正・昭和の多くの文学者・芸術家たちが訪れました。
 若き日にイタリアに留学した生馬がイタリア人の建てた明治時代の洋館に住んだことは不思議な因縁と言えます。

◆松の屋敷の移築
 生馬の没後、「松の屋敷」は上智大学の所有となり、昭和55年(1980)に取り壊すことになり、生馬の一人娘暁子さんの熱い思いを受けて、縁の深かった信州新町に上智大学から譲渡を受けて移築しました。再建は町内外の寄付を募り、昭和57年(198210月に「有島生馬記念館」としてよみがえり、開館しました。
 現在この「有島生馬記念館」は、生馬が命名した景勝豊かな琅鶴湖の湖畔に永久に保存され、画家、作家、書家としての有島生馬の偉業を伝えています。

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展示室1階「生馬の文業」

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展示室1階「生馬の生涯」

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展示室2階「有島三兄弟」

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展示室2階「生馬と信州・信州新町」
      「 画人・文人との交流 」

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展示室2階「生馬の書業」

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展示室2階「生馬の画業」

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展示室2階「生馬と家族」

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2階アトリエ(サロン)からは琅鶴湖が一望できます

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