長野県といえば、全国でも代表的な野沢菜。「信濃では雪とコタツとお葉漬」といわれるように、より寒く水温が低くなるほど、やわらかで美味しくなります。ふるさとの味、おふくろの味の代表格であり、風味良好な乳酸菌により低塩でフレッシュな感覚で食べることが出来るお漬物です。
野沢菜は、野沢温泉村の健命寺のご住職が、宝暦6年(1756年)に京都遊学の帰途、天王寺カブを持ち帰ったのが始まりと言われています。信州では、なぜかカブは育たず、葉と茎のみが良く生育し、これが利用されるようになりました。
長野県、特に飯山・野沢温泉周辺は千曲川沿いの霧が深く、野沢菜が旨いと言われ、スキー客や湯治客の口コミで次第に広がっていったそうです。
健命寺本堂
野沢菜漬には、浅漬と古漬があります。浅漬は、収穫から2~3日で漬込み出荷されたもので、スーパーなどで販売されている野沢菜漬の多くはこの浅漬です。一方、古漬は、収穫した野沢菜を塩漬して乳酸発酵を促進させ、べっ甲色になるまで漬け込んだもので、多少酸味があります。最近は、この古漬に含まれる植物性乳酸菌が着目され、機能性の研究が行われています。
信州野沢菜は、100%契約栽培で肥培管理を行っています。
野沢菜畑にて
収穫風景
お菜洗いの風景
漬け込み風景
漬け込んだ野沢菜
野沢菜漬
〔写真提供:信州・長野県観光協会〕
- 野沢菜の株を切り、よく水洗いした後、重量の3~3.5%の塩を使って漬け込みます。
- 塩以外にも、お好みにより、唐辛子・昆布・煮干し・柿の皮・酒等を入れます。
- 中蓋をして重石をのせます。水が上がったら、重石を軽くして固くなるのを防ぎます。
- 2~3週間後から、浸かり具合を見て野沢菜を桶から出し、通常は洗わずに(洗ってもよい)漬け汁を絞って、食べやすいように切って食べます。
- 野沢菜は、少し酸っぱくなった頃(適度な乳酸発酵)が食べごろです。
- よく漬かってきたら、できるだけ小分けにして冷蔵庫に入れておきましょう。凍らない程度に保つのが理想です。