大豆島地区住民自治協議会      

長野市無形文化財 大豆島甚句

大豆島甚句の由来

甚句の作者も起因も明らかでないが言い伝えによると、遠く江戸時代中期からのもので、当時善光寺平一円にわたり、類似のものが農作業唄として唄われていたもので、その中の一つが「大豆島甚句」で大豆島は肥沃な土地と住民の素朴さと、人情の細やかさで知られ、養蚕と稲作を生業とし栄えてきました。
 生活の中から自然と芽生え、文字どおり農作業の中から育ち明治・大正の頃までは、毎年雪が消え野良仕事が始まる頃になると、どこからともなく大豆島甚句の歌声が聞こえてくるのでありました。全国的に養蚕業が盛んになり、当地区にも養蚕の技術指導が導入され、繭の収穫は農家にとって何よりの、大きな収入源であり益々盛んになりました。
 お蚕様に桑をくれ、そのかごを棚に差し込み、また次のかごを引き出し桑をくれては棚に差し込むこの作業の繰り返しは、正に家族総出で二人一組になり早朝より昼時、夕方と一日三回ないし四回と成長期には五回と繰り返される作業であります。このしぐさを踊りに取り入れ「大豆島甚句踊りの型」となっています。
大豆島甚句保存会 編集・発行 大豆島甚句のあゆみ より抜粋  

大豆島甚句歌詞

1 ままよ大豆島 蚕の本場 娘やりたい 桑摘みに 
             やりたい やりたい 娘 娘やりたい 桑摘みに
2 鳩になりたい 善光寺さんの鳩に 飛んで行きたい 大豆島に
3 天気ゃよければ 松代様の 城の太鼓の 音のよさ
4 主は犀川 わしゃ千曲川 共に会いましょ 大豆島で
5 信濃善光寺さんは 三国一よ おらが甚句は 日本一
6 早く盆にして お宮の庭で 殿さ音頭で 踊りたい
7 さあさ踊れや 大豆島甚句 しなのよい娘を 嫁にする
8 ドンとドンと 鳴る瀬はどこだ 犀と千曲の 水の音
9 蚕飼ったり 桑つみしたり 主に木綿は 着せられぬ
10 大豆島恋しや 権現様の 森が見えます ほのぼのと
11 主は桑摘み 私は蚕飼い 昼に分かれて 晩に逢う
12 蚕疲れで 身はやせたけど 獲れた繭には 肉がある