目次 2/5 娘とサンタクロース
息子は風邪気味なので、娘(8歳)と二人でスキーに行く。行く道の途中、娘が昨日寝るときにした質問の続きを聞く。それは、「サンタクロースはどこでプレゼントを用意するの?」というものだが、「おもちゃ屋さんでかうんじゃない。」と答える。すると、「サンタクロースって家の人がしているんじゃないの?」という。「どうしてそう思うの?」と聞くと、「だって、トナカイが空を飛ぶはずがないもの」という。「もう寝る時間だから、また後でね。」と言っておいたので、いよいよ娘には隠しきれなくなったかと思い、昨日の質問だけどと持ちかける。「クリスマス集会の時なんか、サンタの服の下から体操着が出ていたりして、にせものだとすぐわかる。」と言う。以下、その会話。
「サンタクロースと天使は本当にいるの?」
「天使は本当にいるんだよ。」
「じゃあ、やっぱりサンタクロースはいないんだ。」
「いるんだよ。」
「どこに?」
「ここにいるよ。」
「なんだ、やっぱりそうか。」
「サンタクロースはどこの家にもいるんだよ。」
「がっかり。」
以下続く…
決してわからないようにと注意を払って今までやってきましたが、いつまでわからずに続けられるかなと思っていましたが、割と早くその時が来てしまいました。弟はまだ楽しみにしているから内緒だよと言っておきました。
サンタクロースは、4世紀のミュラの司教、聖ニコラウスのオランダ語の呼び名シント・クラウスから来たそうで、その祝日に訪問と贈り物をする習慣があったとのことです。
息子が自分の思い通りにならないと、いじけたり、泣いたりすることが多くなってきた。特に、母親を自分の言うとおりに動かそうとすることが多く、お母さんは息子の召使いではないのだからとよく言った。感情的に抑制することが出来なくなってしまうこともあり、「僕こうしなくちゃ絶対いやだからね」と言い出すと絶対に言い張り、そして泣き出すというパターンが夏休み後は毎日のようになった。
そして、この朝も、息子が「納豆がいい。納豆でないとご飯を食べないからね。」と言い出す。後で考えると妻は前の日の夜、明日は納豆をお願いねと言われていたような気がするという。しかし、この時点では、息子は昨日のことを説明することはなく、ただ言い張っているので、また息子のわがままが出たということで、私は「食べたくなければ、食べなくていい。」と言ったが、息子はあくまでも泣いて言い張り続ける。
これはこのままではいけないと、覚悟を決め、二回の寝室に無理矢理連れていき、今日はお父さんも会社を休むし、息子も学校に行かなくてもいいから、話し合おうというと、学校に行くという。学校に行くよりも大事なことだからと言って、泣きわめく息子にまず泣き止みなさいといい、息子に意地悪で納豆をあげないのではなく、息子がわがままな人間になると息子が一番困るから、あげないんだということをわからせようとする。最初は座った目つきでにらんで泣き続けていたが、30分もすると、大分落ちついてきて、ようやく話せるようになる。意地悪なのではなく、息子のためなんだということを分かってもらえたと思ったので、息子と次の三つの約束をする。
1、ぐずらないで、ことばでいうようにつとめる。
(かなしくてなくのはいいが、なくことによっておもいどおりにことをはこぼうとしてはいけない。)
2、ひとのことばをすなおにとる。
(ねじまげて、とらない。)
3、ひとを、じぶんのおもいどおりにうごかそうとしてはいけない。
(あいてが、してほしいことをかんがえて、してあげようとする。)
今日は半日かかってもと考えていたが、1時間半で終わったので、息子も学校に、私も会社に遅刻していく。この後、大分息子もさっぱりしたようで、落ちついてきた。
娘の誕生日。娘の希望による手巻き寿司の夕食もすみ、ケーキに火をつけてハッピーバースデイを歌い、いよいよケーキを切り分けるときになったが、私がビデオを撮っていたので、寿子が包丁を入れる。途中でうまく切れないというので、私が代わり、お皿に盛り分けていったが、最後に残った三切れのうち、真ん中のが欲しいと息子がいう。二切れは残す予定だったので、もう遅いと言ってはじのを取って息子にやる。そうすると、「僕、真ん中のでないと食べないからね。」と言う。「食べたくなければ、食べなくていいよ。」と言って、みんなで食べ出すと、「僕、あれじゃなくちゃいやだ。」と言って、泣き出す。皆が食べ終わっても食べずに泣いており、「僕、お母さんに言っておいたのに、お母さんの意地悪。」と言う。寿子は、聞こえなかったんだよ、と言っても聞き入れず。「N、泣き止まなければ、お姉ちゃんのお誕生日が出来ないでしょ。」と言っても効き目がなく、寿子は電話が来ていなくなり、流れ解散のように3人だけ残る。息子が泣き止まないので、娘に誕生プレゼントをあげる雰囲気にならず、とうとう台無しになってしまった自分の誕生日に耐えきれなくなって娘が泣き出す。
とうとう、怒りが湧いてきて、暴れる息子の腰をつかんで、無理矢理二階に連れていき、例の如く話をする。泣いているので何を言っているか分からず、言っていることが分かるようになるまでに時間がかかる。息子の言い分は、お姉ちゃんとじゃんけんをして勝ち、息子がそれを予約していたという事だった。だから、単なるわがままではなかったという事もわかり、泣かないで、そういう事を説明して欲しかったという事を話す。さらに、お母さんがケーキを切るのに一生懸命で、息子の言うことを聞かなかったのではなく、聞こえなかったという事。お父さんやお母さんがよく聞いていなかったのは悪かったけれども、息子も分かるように言って欲しかったという事等々。息子も落ちついてきたので、その予約していたケーキを食べて良いから、せっかくの誕生日を台無しにされたお姉ちゃんに謝ることも約束できたので、誕生日のやり直しを遅くなったがする。さっぱりして出来る。
この二つの事件を通して、息子は大分成長し、心も落ちつくようになった。
寿子が教会の婦人会で教わってきたピザを子供と一緒に作ることになっていたが、五時から作る予定で、一分前に勉強が終わった息子は、「お母さん、あと一分だね。」と言った。「N、あと一分だから、かたずけな。」と寿子は言ったが、息子はあと一分遊べると思ったらしく、遊び始め、五時になって娘がやってきて、ピザを作り始めた。勉強道具のかたずけが終わってない息子は、「かたずけなさい。」と言われるが、お母さん達がピザを作り始めたのが気にくわなくて、へそを曲げ、待っててやるからかたずけなさいと言われても、言うことを聞かない。15分くらい泣いてたが、待っててやったらようやくかたずける。私が帰ってきてから、このことを寿子が話し、息子にそのわけを聞くと、またいじけて、ついに寿子に物を投げたので、もう今日は謝るまで許さないと言って、玄関の外に無理矢理放り出し、鍵をかける。息子は、泣いて、戸をたたき続けたが、「謝るまでは、入れないよ。」と言って、玄関の電気も消し、部屋の中にはいる。そのうち、ますますひどく戸をたたいて、ついにガラスが割れる。ガラスが割れたので、寿子も息子をしかって色々言ったせいか、今まで謝ることがなかった息子が、割とすんなりごめんなさいと言ったので、事は収まる。
今まで、息子がわがままで言い張ったとき、外に出しても娘のように謝ることがなく、いつまでもなき続け、寿子は息子は娘と違ってこういう方法では分からないのだからということで、根負けして、だましたり言いくるめたりしてきた。私にすると、それが息子のわがままを助長させてしまったのではという思いがあり、今回は絶対に許さないと言う雰囲気が伝わったのか、ガラスを割ってしまったという事で、本人も驚いたのか、お母さんに物を投げたのが悪かったと反省できたのか、お母さんも怒っていたせいか、こんなにすんなりと謝ったのは、初めてのことだった。
この事件以来1年たっても、このような泣いて言い張ることもなくなったので、この強攻策は結果的には良かったかと、思うこの頃です。
{息子への対処について、根負けしてだましたり…と主人に言われるのはちょっと心外です。息子には思いこみがあり、自分の悪いところを反省す余地のないまま強く怒られるとパニックになってしまうようです。まず抱いてやり、落ち着かせてから話すよう心がけていました。場合によりけりで判断を誤ってしまうことも多いのですが…。}