<<令和6年12月15日 定例禅会>> 参加者:6名 会場:円成寺

 穏やかな初冬の一日でした。
 桐山老師のご提唱は、不二道場隣接の善聴庵の全焼火災の報告から始まりました。不慮の災難で驚きましたが、山本老師ご夫妻のお命が助かり無事だったことは不幸中の幸いでした。長野禅会としても山本老師へのお見舞いを差し上げ、一日も早いご回復に思いを致しました。本題は、桐山老師ご出版予定の著書原稿の検討でした。これまでのご提唱や検討を経て著書の目次の章や項立てもほぼ出揃い、桐山老師が意図するお考えの全容・全貌が見えてきたように思います。前著「禅を生きる」を踏まえた本著は、「西洋の科学文明を本物にする禅」(光龍老師)を根幹に据え、科学の最先端理論である量子論や相補性の原理(ニールスボーア)等も織り込みながら、禅的生き方の究極の姿としての利他行(自他一如)へと繋げていく壮大かつ意欲的な作品内容を目指しています。前例がないだけに、専門的知識をもつ参加者の意見も採り入れるという斬新な手法が編み出され、最終的には複数の眼を通して一冊の本が練り上げられていくという苦心の労作になりそうです。この過程プロセスは、時間や労力を要しますが、禅修行をする者にとって禅を多面的・多角的に捉えられるという利点が感じられます。協働作業の素晴らしさですが、これができるのも桐山老師の自在かつ深いご見識・ご指導によるという長野禅会の故です。                                      (文責 峰村)



<<令和7年1月5日 定例禅会>> 参加者:7名 会場:サンライフ長野

 穏やかな午後、久しぶりに小林さんの参加もあり、新年の好スタートがきれました。
 桐山老師のご提唱は、出版予定の著書原稿の検討でした。これまでの協議・検討を加味した修正原稿を、小林さんへの配慮もあり、復習も兼ねて確認していきました。先ずは桐山老師の次著「禅を生きるU」出版の意図が再度明確に示されました。「西洋の科学文明を本物にする禅」(光龍老師)を念頭に、混迷・対立・分断する世界情勢の中で、一瞬にして世界を破壊する核兵器やAIの不適切な開発競争など、これらを悪用しての国家間の覇権争いによる危機や悲劇を繰り返さないためには、洋の東西の叡智―東洋の禅の思想や唯識哲学、西洋の量子論の深い探求から到達した相補性の原理(ニールスボーア)や関係性の原理(カルロ・ロヴェッリ)等−を結集することが大切であり不可欠である。これをどのように引用・配列したら所期の目的が達成できるか、というところまで漕ぎつけたように思います。これが達成できると、禅的生き方の究極の姿としての利他行(自他一如)へと大きく近づくものと思われます。
 ただ、前例がないだけに、もうしばらくは紆余曲折が予想され微調整も必要となりますが、大分展望が見えてきたようにも感じます。生みの苦しみを会員相互に感じながら、何とかして成稿し校了へと繋げたいと思います。



<<令和7年1月19日 定例禅会>> 参加者:6名 会場:円成寺

 本堂前の梅のつぼみの先に、ほんのりと赤みが見えた穏やかな日でした。
 桐山老師のご提唱は、火災に遭われた山本老師の経緯・現状や特養に入所された奥様の現状から始まりました。ともに人生の命運にかかわる結節点・節目を示す重要な内容でした。
 本題は「禅を生きるU」の追加部分の原稿の紹介と検討でした。前著「禅を生きる」に記した内容でも、重要で大切なことは何度でも取り上げるということで、「坐禅による囚われからのはずれ」・「プロセス主義の大切さ」・「悟り終われば只の人」などを具体的事例(車中でのパニックから転じて小悟を得た心境・粘土で焼き物を作るときの適度な柔軟性・洞山五位に関わって白隠の雪を担って井戸を埋める話・等)を交えながら、懇切に示されました。
 禅は机上の空論(理論も大切)ではなく、現実生活の中で生きて働いて(動中の禅)こそ最重要、という老師の信条・身上が強く表れていました。世界に発信される予定の著書を読んで、出来るだけ多くの人々が元気づけられ勇気づけられる内容にしたい、という思いに溢れたお話でした。これを聞いた会員たちも具体の実例に納得しつつ、本著の内容が更に豊かになるように各自の意見を出していました。



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