穏やかな初冬の一日でした。
桐山老師のご提唱は、不二道場隣接の善聴庵の全焼火災の報告から始まりました。不慮の災難で驚きましたが、山本老師ご夫妻のお命が助かり無事だったことは不幸中の幸いでした。長野禅会としても山本老師へのお見舞いを差し上げ、一日も早いご回復に思いを致しました。本題は、桐山老師ご出版予定の著書原稿の検討でした。これまでのご提唱や検討を経て著書の目次の章や項立てもほぼ出揃い、桐山老師が意図するお考えの全容・全貌が見えてきたように思います。前著「禅を生きる」を踏まえた本著は、「西洋の科学文明を本物にする禅」(光龍老師)を根幹に据え、科学の最先端理論である量子論や相補性の原理(ニールスボーア)等も織り込みながら、禅的生き方の究極の姿としての利他行(自他一如)へと繋げていく壮大かつ意欲的な作品内容を目指しています。前例がないだけに、専門的知識をもつ参加者の意見も採り入れるという斬新な手法が編み出され、最終的には複数の眼を通して一冊の本が練り上げられていくという苦心の労作になりそうです。この過程プロセスは、時間や労力を要しますが、禅修行をする者にとって禅を多面的・多角的に捉えられるという利点が感じられます。協働作業の素晴らしさですが、これができるのも桐山老師の自在かつ深いご見識・ご指導によるという長野禅会の故です。
(文責 峰村)
|