やや霞んではいましたが、新緑がきれいな日でした。
桐山老師は、「やわらかに柳あおめる北上の岸辺目に見ゆ泣けと如くに」(啄木)の短歌に、「峰の色 谷の響きも皆ながら、わが釈迦牟尼仏の声と姿と」(道元)と「神とは自然である」(スピノザ)の言葉などを重ね、移りゆく季節の変化だけでなく、自然のもつ奥深い美と力に私たちの目と心を向けて下さいました。
また、最近のテレビ報道から共にルワンダ人のツチ族とフツ族との凄惨な殺し合いを例に、人間の心の闇についても語られました。条件さえそろえば我々もそのようになる危機を孕んで生きているという事を、映像で迫るタイムリーなお話でした。
この詳細を、作品発表会(「山の音」会6月9日)に向けて「箏の弾き語り」にアレンジされた「歎異抄」にふれつつ、親鸞の言葉に繋げていかれました。親鸞自身も罪悪深重・煩悩熾盛の衆生であることを自覚し、「然るべき業縁がもよおせば人千人殺すこともあるべし」と述べている。このような「悪人」こそ救って下さるのが弥陀の本願であり、「歎異抄」はこの「悪人正機」思想が背景にある。
今回は語りの名士、友渕のりえさんの箏の弾き語りで演奏して頂くので、是非聴いて欲しいと紹介されました。発表会に向けての準備等もあり、禅を生きるUの原稿執筆に手が回らなかったが、これからは会員の意見も採り入れながら、執筆に本腰を入れていきたいと結ばれました。
最後に、6月の正受庵坐禅会に向け細部の検討や詰めを行って散会しました。
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