酷暑の日でした。桐山老師のご提唱は、お孫さんとのメールのやり取りという身近なお話から始まりました。
内容は、桐山老師が作った料理の写真の送受信に絡むもので、料理はレシピなしで程よく作ることがプロセス主義になるというものです。レシピ通りに作ることは結果主義になるということで、桐山老師のプロセス主義という考えを日常生活に即して分かり易く語られました。
禅語では「在途中(プロセス)不離家舎(結果)、離家舎不在途中」とも言う。昨今は結果主義で進めることが多く結果だけに追い込まれて窮してしまい、自殺・いじめなどが多発することになる、目の前の為すべきことを大事にして大らかに生きるためにも、プロセス主義で生きる事が大切である、と説かれました。
本題は、「慈悲の瞑想」の続きで、「エゴの錯覚」の個所でした。他より優れていると感じる高慢も、他より卑しいと感じる卑下慢も、他と同等だと思う同等慢さえも、我(が=エゴ)のはたらきから起こり、争いが絶えないことになる。これをなくすにはどうすればよいか、というところで「心は大地のように」に戻り、大地のようにはなかなか生きられないが、宮沢賢治の「雨にも負けず」の詩のように「そういう人に私はなりたい」と念じながら生きること、生活の中で活かしていくことが大事で悟りに繋がっていくと、励まして頂きました。「大地には力がある」というまとめの言葉は、実際に大地を活用して農業に生きる桐山老師の実践的実感だと思い、肝に銘じました。
諸連絡では、11月3日の正受庵坐禅会に向けて諸準備を進めていくことを確認し合いました。 (文責 峰村)
|