「雨水」(二十四節気)の日らしい温かな午後でした。
桐山老師のご提唱は、いつも私たちに寄り添ったお話で、禅で学んだことを日常生活に活かすように説かれます。例えば、目前のなすべき事に集中(「即今の自己」に成り切る)するには、テレビなどをつけながら他の仕事をしないこと、相手の心を動かし気持ちよく生活するためには、明るい声で快活に話す(「ありがとう禅」の感謝の心を伝える)ことなどを、ご自身の日々の実体験を交えながら、お話しするという具合です。
桐山老師は、今回も「量子論と禅」のご提唱をなさいましたが、精度を高めようと、大学で素粒子を専門に学んだ牛山さんとのやり取りも、ご紹介して下さいました。桐山老師が禅の立場から、「物心一如」・「物となって考え、物となって行う」などを、量子論の「光の粒子性と波動性」という二つの矛盾する性質がはたらいていることを用いて伝えたり質問したりした事が、牛山さんの量子力学の深い見直しに繋がり、「いくら坐禅をしても自己を忘れられなかった理由がここにあった」とか「『波動』が量子力学と禅を結ぶキーワードになった」とかという言葉になっているように思われます。
相互に理解を深め合い新しい可能性が開けたという意味で、エポックになったように思います。また、量子論は今も進化の途中だそうですが、禅からのアプローチが新たなステップになるかも知れません。逆に、量子論から禅へのアプローチによって、私たちの目から鱗が落ちるかも知れません。
桐山老師のご提唱での視野の広さが、参加者の視野を大きく広げて下さっていることに改めて感謝です。 (文責:峰村)
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