肌寒さを感じる午後の坐禅会でした。ご提唱に先立ち、2冊の本の紹介がありました。
1冊目のアメリカ人作家の「宇宙船地球号」では、人口80億人に迫ろうとしている地球上で、限られた資源の争奪戦などしている場合ではないこと、2冊目の会員の吉澤さんが写経の精神で書き上げて手作り製本した「正受庵」では、酒井盤山老師(元正受庵住職)が残った飯を捨てた弟子を叱責したことに触れ、「物の大切さ」や「禅の大切さ」を説かれました。また、酒井盤山老師の話から、正受老人の遺偈「坐死」に及び、これは禅の真髄や生き方を、つまり生きているありのままの自分とはどういうことかを、遺偈というスタイルで示している、と強調されました。
ご提唱は、現成公案の「身心に法いまだ参飽せざるには、法すでにたれりとおぼゆ。・・・」の個所でしたが、今までの提唱や体験等で解説なしでも分かるでしょう、お互いに足りないところを自覚して励んでいきましょう、と簡潔に切り上げられました。
11月3日に実施された正受庵坐禅会については、各地の参加者から長野禅会へ寄せられた称賛・激励の言葉に意を強くし、更に充実・発展させていく方向を確認して散会しました。
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