猛暑日の中、天井の高さ故かやや涼しげな円成寺で冷房なしに、坐禅・独参・提唱を行いました。ご提唱は「無門関」で、独参者の修行の進展にも合わせ、「百丈野狐」の則でした。要点は「野狐とは何か(誰か)」「修行をすれば、因果を超えて自在に生きられるのかどうか」を考えることであり、修行の只中に生きる我々への問いとして迫ってくるものでした。この問いを身近に引き寄せて深めるために、桐山主宰は斉藤さんの新聞への投書原稿で吐露された心情(介護を巡る親族間の葛藤)を採り上げました。愛憎が複雑に絡み合う中で自己を客観的に見つめることは、この則の今日的な具体的展開であり、こういう切迫事態等から生き方を見出すことが己事究明である、と会員に寄り添ったご提唱でした。 (文責 峰村) |