★例会レポート
穏やかな早春の日に、老師をお迎えし定例の3炷の坐禅を行いました。続いて、「臨済録」のご提唱をして頂きました。
「道流、出家児は且く学道を要す。(中略)裏に向かい外に向かって、逢著すれば便ち殺せ。仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、(後略)」という箇所です。
初めてこの「殺せ」の言葉を聞くときは、だれもが「どきっ!」とします。老師は、ここを「肉体を実際に殺生するのではなく、物事に執着せずに本質を掴むことである」とされ、続けて、「大切なことは無心に返ること、無心とは私心がないことであり仏心である」と話されたので、納得できる思いがしました。
続いての茶礼では、会員から「即今の自己」や「父母未生以前の本来の面目」等について質問がだされました。老師からは「トン」と机を叩く音から全てのものが生まれるなど、丁寧にお答え頂きましたが、禅の本質にかかわる内容なので、頭での理解とともに坐禅を通して体得していきたいとも感じました。
老師を囲んで有志の夕食会をもちました。老師から、「5月に4回目となるポーランドでの接心に行くが、今年が分水嶺になるかも知れない。」というお話があり、新たな展開も予感されるので、お土産話が今から待ち遠しくなりました。 (文責 鈴木)
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