<<平成27年12月定例禅会>> 参加者:10名 会場:サンライフ長野

 ★例会レポート
 穏やかな師走の午後、観音経偈文を唱えてから3炷の坐禅を行いました。その後は、桐山主宰から「縁起と空」についての講話がありました。「空」がよく分からないという人にも何とか分かってもらいたい、という桐山主宰の熱意と工夫とに溢れていました。

 その概略は、「色即是空の色を縁起と捉えることができれば、空の全貌がはっきりする」との見通しの中で、「色即是縁起即是空」になるということを、「縁起の理法」・「縁起は吉祥なるものである」・「縁起は無自性なるが故に空である」と項目を追って綿密に語って頂いた事です。詳細は、後日「禅味」に論文として掲載されると思います。

 全ての「もの」や「こと」は「縁起」の働きで「自性」はなく「空」である、という仏教の核心に触れる難しい内容でしたが、参加者もそれぞれの生活体験や坐禅の経験をもとにしながら、「時間」や「自我」等も含め講話に関係した意見や質問を出し合いました。講話を聞きっぱなしではなく、各自の考えを出し合えるようになったのは、やはり長年に亘る桐山主宰のご指導の賜物であると思いました。
  (文責 鈴木)



<<平成28年1月定例禅会>> 参加者:9名 会場:サンライフ長野

 ★例会レポート
 新年初めての坐禅会でしたが、いつも通り3炷の坐禅を行いました。その後の茶礼で、先ずは桐山主宰からご自身が書かれた「縁起と空―その4―」について、次のようなお話しがありました。

 この「縁起と空」の原稿の長野禅会ホームページへのアップロードに際して、不具合が多々あったが、田中さんの粘り強いご支援もあり、やっと完了したとのことで、目に見えない処でのお二人のご努力に改めて敬意を表しました。

 原稿の内容面では、今までの集大成のような形で、「色・空・縁起・無自性・八不」の関係が「円環縁起図」で示されていましたが、これは桐山主宰の独創によるもので、視覚的にも分かり易く、さすがは桐山主宰であると思いました。

 更に、この原稿を含め、今までホームページで発信し続けてきた論説をまとめて「禅を生きる」という書名で出版する、というすばらしいお話しもありました。

 次に、私(鈴木)の文章が「禅味」1・2月号に掲載されたことから、一言話すように指名をされました。そこで、裾野での接心の様子等を話した後、長野禅会の今後についても期待を込めて、
@略式でもよいから長野禅会として接心会を開きたい、
A中高校生に出前授業などをして坐禅の術(わざ)を伝承していきたい、と話しました。   (文責 鈴木)



<<平成28年2月定例禅>> 参加者:9名 会場:サンライフ長野

 ★例会レポート
 長野では少し雪が舞っていましたが、いつもの通り3炷の坐禅を実施しました。その後、桐山主宰から「空と唯識」について講話がありました。「唯識」とは「空」を心の世界まで展開したもので、この唯識思想は「空」の思想とともに、仏教思想の双璧を成している、と概説されました。唯識の素晴らしいところは、釈尊の四諦を更に発展させ、心の構造(八識)を明らかにし、苦を克服する道筋を明らかにした仏教実践論である、と述べています。この詳細な展開は、上梓中の著書にも追加して掲載されるとのことで、論説の完成とともに本の完成が待たれます。

 続いての茶礼では、各自の思いを順に話してもらいました。車の運転時に運転への集中と余計なことを考える散漫とが繰り返されていること、食品がまだ食べられるのに賞味期限が切れたというだけで捨ててしまい、五感を働かせていないこと、等々が話題にのぼりました。いずれも、日常の普通の行動(実践)と心に秘められている八識(意識)との関係を述べていて、言葉(理論)と行(実践)が共に大事であるという桐山主宰のお話しともつながってくるように思いました。 (文責 鈴木)



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