<<平成24年4月定例禅会>> 参加者:8名 会場:サンライフ長野
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坐禅を2炷行った後、佐々木文昭氏の講話がありました。佐々木氏は長年教職に就いていた方ですが、その傍ら30年以上に亘って道元の研究もされてきました。易しく分かりやすく話して頂き、参考になりました。講話に続き、いつもの茶礼を楽しみ、散会しました。
★講話の趣旨
昨年3月に、千年に一度の大津波が起こり、日本は混沌となった。大津波や原子力発電所の事故についての問題は、全ての人が問われることであり、今、日本が変わる時だと思うので、道元の考えに基づき、自分なりに考えたことをお話しする。
3.11以降は、日本の全ての人々が大津波等で避難している人を助けたいと思い、多くの事を実行した。このことは、道元が唱えた発菩提心とも重なる。他人を幸せにすることや、自分の得にならないことでもやってあげることが、布施であり発菩提心である。一切の存在には仏性があり、人を助けたいという気持ちがある。この気持ちが、3.11以降忽然と湧いてきた。無念にも亡くなった霊を慰めるために、祈りを捧げたりもしている。
人間は欲望という煩悩魔に左右されて生きている。その結果が54基の原子力発電所設置であり、福島での原発事故である。人間の欲望を必要以上に大きくすれば、人間の幸せは達成できないし、原発の安全神話を直せない。道元が「山水経」でも述べたように、人間は謙虚に自然から学ぶことだ。同時に、道元が晩年に祈ったように、祈りも欠かせない。
★茶礼にて
講師の佐々木先生を囲み、講話の続きが話し合われました。原子力発電事故にかかわる諸々のこと、政治は今何をしているのか、そして我々は何をしたらよいのか、それには考え方を変えることであり、そのためには良い意味で脳を騙すことであると落着し、楽しく盛り上がった一時になりました 。 (鈴木 記)
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