教会の中で、色々な学び会いをする小さなグループがありますが、私たちのグループは最近アメリカの小児科医ドブソン博士の「幸福な家庭セミナー」のビデオを見て、ディスカッションをしております。その中のNO.4「意地っ張りな子供」について特に考えさせられましたので、抜粋をおのせします。
概略
・子供には子供らしい無責任さがある…子供には、大人の水準で責任を果たす力を神は与えられなかった。子供に無理に責任を持たせようとしてはならない。責任を与える場合でも、少しづつ忍耐を持ってやっていくべき。厳しい罰ではなく、ゲームなどで楽しく教える方が効き目がある。
・反抗的態度…相手の権威を認めたくない。親の権威を試そうとする。→子供の無責任のためではなく、目を見て反抗するとき、喧嘩を売っているとき、お尻をたたくのはきわめて有効(2〜10歳迄の子に)。
・児童虐待が深刻な問題…無理に子供を押さえつけて怒ったり、気まぐれに扱ったりすると子供をだめにする。
・子供から挑戦を受けた時は別。
・母から受けたメッセージ
1、私を愛している、私のためなら死んでもいい、と伝えていた。
2、生意気な口答えを決して許さなかった。→子供にだれが責任者かをはっきり教える。口答えは親の権威に対する侮辱であり、母は決して許さなかった。私をお仕置きするのは自分の手でその場ですぐにした。それによって母を怖がるどころか尊敬した。母は私を抱き寄せて話してくれたのです。どうしたらいい子になれるか、愛していればこそしかるのだということを。
そのおかげで典型的な青春の反抗期を経験しなかった。それは、私の内部で愛と尊敬のバランスがとれていたから。
愛と抑制のバランスが大切。あなたが怒って抑圧的になり、子供に愛を伝えない場合、バランスを失い問題にぶつかる。逆にあなたが、愛の方を過保護や甘やかしによって与えすぎ、叱ると子供が離れていくのではと恐れると、子供への抑制が不十分になり問題にぶつかる。一番大事なのは子供の心を導いて皆さんの愛情のこもった権威に従わせること。
・幼児の観察からの結論
生まれたばかりの子供は白紙と同じで、生まれた時には持っていなかった性格とか気質とかが白い紙に記されていくということを習った。幼児の成長過程で環境が大きな役割を演じていることは明らかです。しかし、生まれた時は白紙だという説は絶対に間違っていると思います。子供たちは生まれた時から違う感情や気質を持っています。最近の研究で子供は生まれた時、決して同じでないことが立証されました。少なくとも気質や個性に10通りの違いがある。活動の程度も人間への反応もみんな違います。
・子供たちの違いで最も重要なもの。→意志の強さ。生まれつき素直な子がいる。にっこり笑いながら出てきて、最初から夜はぐっすりと眠ってくれる。親に迷惑をかけることは思いもよらない。家族にすっかりとけ込んで、大きくなると私に何をしてほしいのかと聞き、その通りにする。部屋の整頓とお手伝いが大好きで進んでやる。…こういう子供は大勢はいません。確かに少数の生まれつき素直な子というのがいる(せいぜい2〜3%)。
生まれながらに反抗的な意地っ張りな子。拳を握りしめて生まれてくる。食事の時間が少し遅れただけで怒る。よちよち歩きの時から家族全体を振り回す。…意志の強い子供の方こそ、おそらく人間形成の上でもっと大きな可能性を持っており、結果として素直な子供よりリーダーシップを持つでしょう。意志の強い子は人生に適応する能力に優れている。育てるのには骨が折れるが、よちよち歩きの頃から親に向かってはっきりノーと言えるこの性格が役に立つのです。14、5歳位になって仲間から麻薬を進められたとき、ノーと言えます。つまり、意志の強いという子供というのは私たちにはありがたい存在です。子供の意志をうまく形成すれば、自分の衝動を抑える能力を与えられます。
それでは、素直な子供はどうなるか。私の受けた漠然とした印象から言えば、この種の子供は結局皆さんをだますでしょう。…心の中ではもやもやが進行しています。そして大多数の子供は遅かれ早かれ親に挑戦してきます。意志の強い子供の場合、そういう挑戦が扱いやすい初期にやってきます。でも素直な子供の場合、思春期の後半か大人になりたての頃、このやっかいな反抗期が来ます。もはや、親の手に負えなくなってからです。つまり、所詮はすべて私たちは意志の強い子供だと言えます。素直な子供の場合、もっと注意が必要なのです。中略
意志の強い子供を扱う6つの段階
1、子供に何かを要求する前に、はっきり限界を決めておくこと。決して、前にさかのぼったて罪を追求しないこと。大事な花瓶だと言っておかなかったら、子供がそれにさわっても責めないこと。
2、子供が強く反抗したら、断固とした態度で応対すること。これは非常に重要です。
3、わがままな反抗と子供っぽい無責任さとをはっきりと区別すること。この二つには明らかな違いがあります。わざとやっているかどうかです。
4、対決した後、安心させ、教えることを忘れないこと。これによって、コミュニケーションができます。このとき、子供も一番良く聞いてくれます。やさしく抱き寄せて言い聞かせるのです。
5、不可能な要求はさけること。何が何でも理想的な子供にしようとしたり、その労力もないのに育児書通り二歳までにトイレのしつけを強要してもいけません。
6、愛を持って導くこと。
これだけのことを守れば、うまくいくと思います。
【私にとってショックだったのは、素直な子供の問題点ということでした。私とすれば、意地っ張りな息子の方がどう育てたらよいのか、どこかで失敗したのではないかと思ってきたからです。しかし、このビデオを見て娘のこれからの育て方の方が難しいのではと思わさせられました。また、かって私が教員になりたての頃、わがままな反抗と子供っぽい無責任さとをはっきりと区別出来なかったためにしてしまった、多くの失敗(子供っぽい無責任さに対して、たたいたりしてしまった)を思い出し、その頃この映画を確か見たはずなのにどうして気付かなかったのかと、悔やまれます。】 {息子に気を取られるあまり娘の心を見てやっていなかったと反省。素直に聞く娘には、命令的、かつやって当たりまえの意識で、厳しく見てしまった。息子への配慮と同じ配慮が娘にも必要であったと気付かされました。}
リンク ファミリーフォーカス ジャパン(ドブソンについての情報、メッセージ、ビデオの注文など)