どんな宗教があるか

トインビー博士は「21世紀は宗教の時代になる」と言っています。

現代の混迷する社会(政治経済の混乱・貧困と民族紛争・環境破壊・いじめ等の教 育問題等々)は、すべて自我を中心にした欲望の果てしない追求の結果であるように 思います。このまま進むと人類の破滅・大混乱が予想されます。
   この競争原理中心の社会から、共存・共生の世界へ脱皮し、この危機的状況を回避 するためにあらゆる分野で必死の試みが始められました。
トインビー博士が言うように、宗教の負うところは、はなはだ大きいわけです。
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宗教の本質を見極め、宗教学の立場からも、宗教がどのように貢献できるかを見極めていく必要があります。





キリスト教と仏教のちがい(仏教の本質)

キリスト教のような宗教は「天啓教」と言われています。人格体としての神(絶対者) を認めます。汚れ苦しんでいる人間が神の導きによって救われるのです。そういう意 味で「救済教」とも言われます。したがって神を信じることが条件となります。日本の神 道を始め、ユダヤ教・イスラム教等々、仏教以外のほとんどの宗教は「天啓教」と言っ てもよいでしょう。
   それに対して仏教は「自覚教」と言われるように、誰もが自分の中に持っている「仏性」 (ありのままの自分・もともと救われている自分)を発見・自覚する宗教です。
さらに自分以外のすべてのものも、まったく自分と同じ仏性をもって、完全無欠に申し 分なく生きていることに気づく宗教です。
   また「とらわれ」や「先入観」によって生ずる「苦しみ・争い」から解放されるという意味 で、また、本来解脱しているという意味で「解脱教」とも言われます。したがって仏教は、神・救い・祈りが必要ない宗教であると言えます。 もちろん部分的には「祈り」の形を取ったり、結果として救われたと同じ状態になるという面もありますが、仏教の根本に於いて・神・救い・祈りは無いと言えます。おそらく仏教以外にはこのような宗教は無いでしょう。
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仏教は、もともと完全無欠に申し分なく生きている(解脱している)事実を発見する宗教です。


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