PTA日記 

☆7/11 西南部研究集会挨拶 1998年

 前略

 昨年度は、若者によるナイフ等を使用した殺傷事件が全国を駆けめぐり、空恐ろしさと共に、現代の情報化社会においては、一つ事件が起こると似たような事件が伝染病のように広がる時代に、私たちは生きているということを覚えさせられました。

 また、長野県においては、昨年度の非行増加率が前年比41%の増で全国第2位となり、万引き、対教師暴力、覚醒剤の乱用が増えているとのことです。

 原因別で見ると、刑法犯少年の83%は家庭におけるしつけ不適切が原因とのことで、もはや学校だけでは解決できない危機的状況にあると言われております。

 このような中で、今年の4月に中央教育審議会は中間答申を出しましたが、家庭教育に踏み込んだ異例の内容であったとのことです。その第2章は、「もう一度家庭を見直そう」ということで、私が特に考えさせられた所を3点ほどお読みしたいと思います。

 一つ目、「過干渉をやめよう。家庭の教育力が低下している理由として最も多く挙げられるのが「過保護、甘やかせすぎな親の増加」である。子どもが自分で気づき、考えるという習慣をつくる大切さを忘れ、子どもが考える前にすぐ介入してしまうこと、…父親の不在と母子の過度の密着、は、子どもの自主性や個性を育てることを妨げる。」とあります。

 二つ目、「父親の影響力を大切にしよう。国際比較によると、我が国の父親は、しつけや悩みごとの相談相手として、十分な役割を果たしていない。父親が、母親とは異なった視点や手法で子育てに関わっていくこと、密着しすぎになりがちな母子関係を修正する役割を果たすことなど、夫婦で複眼的な子育てをしていくことを大切にしてほしい。」

 三つ目、「子どもに我慢を覚えさせよう。モノの買い与え過ぎは、子どもの心を歪める。「子どもを不幸にする一番確実な方法、それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ」と言われる。モノを容易に買い与えると、子どもは努力や我慢を忘れ、欲求を制御する力を失う。」という内容です。

 後略

 

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