スノーボード体験記アイコン 1998年

 去年の3月に初めてスノーボードを体験しました。その最初の 3本が、私にとって強烈な印象であったので、さかのぼってその時のことを書きたいと思います。

 スノーボードは、スキーの左右の加重を前後(体から見て)にしただけで、何も理論的に変わるものはないと思っていたので、会社の同僚と一緒にレンタルでスノーボードをやってみることにした。

 戸隠スキー場のものすごい緩斜面(直滑降でも止まりそうになるような、ちょうど玉原スキー場の一番下のゲレンデくらい)をいきなりリフトに乗って滑ろうとした。まず、ボードを横にして横滑りをしようとしたが、どういう訳か回転してしまい、滑り始める。やむを得ず転んで止まり、やり直すがうまくいかない。そこで、前後加重をしてターンしようとするが、何とか右ターンは出来るが左ターンが出来ない。広いゲレンデの真ん中で始めてもどうしてもゲレンデの右隅に寄っていってしまってそこから脱出できない。何とか下まで降り二本目。右ターンをしようとしているのに、いきなり後ろに倒れ、ひどくお尻を打ち付け、または背中や後頭部までぶつける。左ターンをしようとしているとこんどはいきなり前に倒れ、手の肘や手をしこたま固いバーンに打ち付ける。これは、逆エッジが立ってしまうということに気がつくが、また突如倒れる。手のひらや肘はじんじんしてきて、お尻は痛いし冷たいし、首はむち打ちにあっているような感じで、一体どうしてなんだと、

本当にカルチャーショックにあったというか、狐につままれたようなと言うか。三本目、横滑りが出来ないのは、後ろ足(右足)に加重がかかりすぎているためだということに気が付いてくるが、分かっていても滑り始めると、転んだときの痛さへの恐れか、どうしても後ろ足に重心が移動してしまい、それが分かっても直せない。

 スキーで初心者を教えるとき、「スキーの真ん中に乗ること、絶対に後ろに体重をかけないこと。」と力説しても、滑り始めると後傾になり転んでしまうことが多い。「どんなにスピードが出ても、外足の真ん中に乗り続ければ、絶対に転ばないし、曲がりきれるから。」と言っても、スピードが出れば、後傾になってしまう。しかし、今回ほどその方々の気持ちが分かったことはない。

 しかし、徐々にターンが出来るようになった。ターンさえ出来れば、斜度がきつくなっても大丈夫だと思って、次は上のゲレンデに行く。緩斜面は何とか良かったが、中斜面になると、理屈では前後に加重して絶対に逆エッジにならないようにしていれば大丈夫と分かっていても、体が付いていかずどうしても後足加重になってしまい、コントロールが出来なくなる。理屈と現実の違いをいやと言うほど思い知らされる。スキーなら何でもない斜面なのに、どうしてこわいのか。それは、思った方向に必ず曲がれる、思ったときに必ず止まれる、という自信がないのを体が知っているのだ。

 だいたいボードをやっている人は、いつもゲレンデでごろごろしていて、上手にターンしている人は殆どいないと、いぶかっていたのですが、いやはや恐れ入りました。本当にこのことは、私にとってかけがえのない貴重な体験となった。そして、先シーズンは安いボードをついに買ってしまったのでした。


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