クリスマスのプレゼント

                          1992 小学校中学年

  登場人物       小  道  具           配 役

1、ナレーター                 △

2、お父さん     テーブル・コーヒー    ◎

3、ちえこ      プレゼント・ふとん    ○

4、たかし      プレゼント・ふとん    △

5、お母さん                  △

6、ヨセフ      服            △

7、マリア      服・赤ちゃん       △

8、おかみさん    服            △

9、学者1      服・おうごん       ◎

10、学者2      服・にゅうこう      ◎

11、学者3      服・もつやく       ◎

12、星        ぼうの先に星       ・

 

 

第一場 ちえことたかしの家 左手にちえことたかしがねていて、まくらもとに プレゼントがある。となりのへやでお父さんがコーヒーをのんでいる。

ナレーター:クリスマスの朝でした。

ちえこ:(ねむそうにおきあがりながら、とつぜんきがついたように)あっ、き ょうはクリスマスだ。(まくらもとのプレゼントを見て、それをつかみあげ、

 となりのたかしの体をゆする)ねえ、たかし、おきなさいよ。ほら、プレゼン トだよ。おきなさいってば。

たかし:(むくっとおきあがり)プレゼントだって。(プレゼントをもちあげ) やったあー。プレゼントだー。(立ち上がり、となりのへやにかけて行く)

 ねえ、お父さん。サンタクロースからプレゼントをもらったよ。(ちえこも後 からついていく)

お父さん:ほんとだ。何が入ってるかな。

たかし:きっと、おもちゃだよ。(プレゼントをあけて)あっ、本だ。

ちえこ:これ、なんの本だろう。あっ、わかかった。せいしょだ。

お父さん:そうだね。ところで、クリスマスプレゼントは、どうしてもらえるか しっているかい。

ちえこ:しらなーい。

たかし:しらないよ。

お母さん:(右手から入ってきて)ちえこ、たかし。プレゼントをもらうのにつ いては、次のような話があるのよ。

でんきをけす(まくをしめる)

 

第2場面 中央にやどやのおかみさん。左手、うまごやとかいばおけ。

でんきをつける(まくをあける)

 (右手より、マリヤとヨセフがとうじょうする。)

ナレーター:マリヤとヨセフがベツレヘムの町へむかって歩いてきました。

ヨセフ:もうすぐ、ベツレヘムにつくよ。

マリヤ:そうですか。なんだかさっきよりいたくなってきたわ。

ヨセフ:(戸をたたく)すみません。とめてください。つれがくるしくなってい るんです。おねがいします。

おかみさん:(戸をあけて)あいにく、いっぱいなんですよ。でも馬ごやでよけ てばいいですよ。

ヨセフ:ありがとうございます。

 (マリヤとヨセフ、左手のこやに入る。)

ナレーター:そのばん、マリヤはかわいい男の赤ちゃんを生みました。ふたりは、 神のみつかいにつげられたとおり、名前をイエスとつけました。

 (マリヤ、かいばおけより、赤ちゃんをとりだしてだく。)

 (右手より、星と3人の学者がでてくる)

学者1:(ななめ上をゆびさし)あっ、あの星だ。あの星こそ、このせかいのす くい主がお生まれになったしょうこだ。

学者2:それにしても、あんなに光かがやく星ははじめてだ。きっと、すばらし いすくい主にちがいない。

学者3:うーん、おかしいぞ、今までうごいていたのに、あの町の上で、星がと まってしまったようだ。さあ、あの星の下に行ってみよう。

ナレーター:この3人は、はるか遠くの東の国から、ふしぎな星をたよりに、は るばるとベツレヘムまでやってきた学者たちでした。

 (学者1、ドンドンと戸をたたく。)

マリヤ:おや、だれかしら。

ヨセフ:(戸をあける)あなたがたは、なにやらえらい学者さまのようにみえま すが、いったい、何のごようですか。

学者1:わたしたちは、星を研究している学者ですが、このせかいにすくい主が

 お生まれになったというしるしの星があらわれたのです。

学者2:そして、その星がこのこやの上でとまったのです。

学者3:この中にすくい主が、いらっしゃるはずなのですが。

ヨセフ:そうですか。では、どうぞおはいりください。

 (3人、中にはいり、ひざまずく)

マリヤ:見て下さい。これが、イエスでございます。

学者1:きれいな子どもだ。この子に神様のしゅくふくがありますように。この おうごんを、プレゼントとしてお持ちいたしました。(さしだす)

学者2:この子が主にいつも守られますように。このにゅうこうを、プレゼント としてお持ちいたしました。(さしだす)

学者3:この子がおおいにさかえますように。このもつやくを、プレゼントとし てお持ちいたしました。(さしだす)

ヨセフ:そんなこうかなものを、いただくわけにはまいりません。おきもちだけ で、けっこうでございます。

学者1:とんでもありません。神様は、もっとこうかなものをわたしたちにくだ さったのです。

学者2:それは、かけがえのない神様のひとりごのイエスさまなのです。

学者3:このたっといイエスさまをいただいたのですから、こんなプレゼントは

 それとくらべれば、なんのねうちもありません。

マリヤ:ありがとうございます。神様があなたがたとともにおられますように。

でんきをけす(まくをしめる)

 

第3場 ちえことたかしの家

でんきをつける(まくをあける)

お母さん:わかったかな。なぜ、プレゼントをもらうのか。

ちえこ:えーと、神様がイエス様をプレゼントしてくれたということは、わかっ たんだけど、それでどうしてわたしたちがプレゼントをもらえるの?

お父さん:いいところにきがついたね。神様は、このすばらしいプレゼントをわ たしたちがいただいているということをわすれないように、サンタクロースを とおして、プレゼントをくださっている、と思うよ。

たかし:それで、いまでもプレゼントをもらうんだね。

お母さん:そうよ、だから今日はイエス様のおたんじょうびになるのよ。

ちえこ:わかったわ、これからも、そのいみをわすれないようにするね。

ナレーター:これでこの話はおしまいです。みなさんは、なぜプレゼントをもら うかわかりましたか。