1996
登場人物 配 役 キャラクター
1、ナレーター
2、A つっこみ
3、B ボケ
4、C しっかり
5、D
6、裁判官
場面 学校の教室。長机。その後ろのイスにCとBがすわる(Bは足を机の上に上げている)。Aは机に座る。Dはすみの方でイスにすわり、鉛筆をけずっている。
(開幕)
ナレーター:ここはある学校の教室。今は放課後。
A:あっ!!そうだ。この間貸した300円、早く返してよ。
B:そ、そんなことよりさー。昨日、となりのクラスの吉野さんちに、泥棒が入ったんだってー。
A:えー、泥棒ー。ひっどーい。
B:人の物をとるなんて、ひでえヤツだよなー。
A:あっ、B。この間、遊びに行った時、弟のおやつを黙って食べてたじゃない。兄弟から物をとるのだって、泥棒でしょ。
B:別に兄弟だからいいじゃねえかー。
A:罪の意識、ゼロー。そんなこと言っても、神様はちゃあんと、見てるんだから。
B:何だよ、パッとしねーなー。大体さー、罪ってーのはさー、人を殺したり、お金をだまし取ったりすることだろー。オレそんなこと、してねーぞ。
D:Bさ、担任の金し先生なんか、いなくなればいいって言ってたよなー。弟をだますのなんて、簡単だって自慢してたよなー。
C:でも、神様が見れば、「あの人なんていなくなれ」って言うのも、人を殺したのと同じなのよ。他にも弟をだますのだって、サギと同じ。
B:そ、そうだったのか…。
(木づちの音)
裁判官:B。殺人、およびサギの罪により、死刑とする。
(木づちの音)
B:そ、そんなー。オレは弟のおやつを取っただけだー。それにイヤな奴に「イナクナレ」って、言っただけだよー。
(観客に向かって)君もやったことあるよねー。お父さんお母さん方も、身に覚えがありませんか。オレだけじゃ、ありませんよねー。
C:聖書が言っている罪は、やっただけでなく、思ったり、言ったりした罪も入るし、かえってその方が大きい罪だと言っているのよ。
B:えー。そうなのー。(すすり泣く)
(D、Bにハンカチを渡す。)
A:でも、B豊。自分の心の中でおかした罪を考えてみたら、すごい罪の数になるんじゃないの。
B:オ、オレはどーしたらいいんだー。よ、よし決めたぞ。あ、明日からは、つらいけど、オレのおやつはいらないから、兄弟にあげるよー。だから、助けてくれー。(ハンカチをくわえる)
D:わかってんのかよ。んな物、食うなよ。大体オレのだー。
C:罪の問題は、自分の力では、どうすることもできないのよ。だから、イエス様を救い主と信じて、イエス様に罪をゆるしてもらうのよ。
B:そうだったのか。イエス様を信じるだけでいいのか。よし、おやつが食べられるぞ。
D:(指を切ったふり)いてて…。
A:(ため息をつきながら)わかっちゃいない。
C:ほんと、ほんと。
D:あ、今日、クリスマスだったよな。
B:そうだ、ケーキが食べられる!!ラッキー。
A:あのね、クリスマスって言うのは、ケーキを食べたりするだけじゃないの。
B:えっ。
C:クリスマスっていうのは、イエス様が生まれて来たのを、祝う日なのよ。
B:そうだったのか。イエス様、有り難う御座います。(ハンカチで鼻をかむまねをする)
A:よかったじゃん。二つも勉強になったんだから。
B:ねえ、遅くなったから、早く帰ろうよ。
A:そうだね。あっ!!B、300円早く返してよ。
B:(ころぶ)まあまあ、帰ろうよ。
A:Bー、300円ー。
(B、A、右手に退場)
D:みんなも、人とのお金のかしかりはやめようね。
C:でも、もっと大切なのは、このクリスマスにイエス様を信じて、本当のクリスマスをお祝いすることなのよ。
B:(右手より登場し、Dにハンカチを差し出す。)忘れてた。ハンカチ、ありがと。
D:いらねーよ。お前、それくわえてただろ、鼻もかんだし、ったく。いくぞ。
B:おっ、やった。もらっていいんか、これ。
(D、右手に退場し、Bは追いかける。Cも退場)
ナレーター:聖書の中で、イエス様は次のようにおっしゃいました。「モーセの法律では、『人を殺したものは、死刑に処す。』とあります。しかし、わたしはさらにこうつけ加えましょう。人に腹を立てるなら、たとい相手が自分の家族であっても、裁判にかけられます。友達をばか呼ばわりするなら、裁判所に引っぱり出されます。友達をのろったりするなら、地獄の火に投げ込まれます。」でも、また別のか所には「実に神は、ひとり息子さえ惜しまずに与えるほどに、世を愛してくださいました。それは、神の御子(イエス・キリスト)を信じるものが、だれ一人滅びず、永遠のいのちを得るためです。」とあります。このイエス様を信じて、このクリスマスに永遠のいのちをいただきましょう。
これで、中学科の劇、「隠れた罪」を終わります。